住宅ジャーナル2006年8月号
門型フレームが住宅を変える
設計自由度を大幅に向上、耐震改修市場でも注目
GUTTフレーム / カスタムハウジング
J‐耐震開口フレーム / J建築システム
GATSフレーム /JOCタチカワ
SE構法 SE−GOフレーム工法 / NCN
ビッグフレーム / 住友林業
J−FRAME / ジューテック
パワーストラクチャー / ナイス
IKラーメン工法 /伊藤忠建材
フレームシステム /グランドワークス
いま木造住宅では、金物工法をはじめとして、高壁倍率の構造面材などが多用されるようになり、強度性能が著しく向上するようになつてきた。また昨年発生した耐震偽装事件などの影響もあり、木造住宅でも構造設計・強度に対する関心が高くなつた。しかしその一方で、それに比例する形で性能・強度に関する性能実現の方法が一層精緻になり、これまでの現場知識や技能では対応できないほど難しいものになりつつある。そのため木造3階建以上で必要な構造計算が2階建でも実施するようになるなどの動きが大きくなってきた。それは逆からいえば、木造住宅での構造設計や施工に対する信頼性がさらに問題とされることになり、一般からはさらに厳しい視線が注がれることにつながってきている。
そうした市場の動きに対して、もっとシンプルな構造を作っていこうという動きもある。それが門型ラーメンの活用である。木造門型ラーメンは、以前からエポキシ樹脂などでケミカル接合するなどで使われてきた手法だ。木造住宅でも簡単に大開口を設定でき、大空間をプランできる。ただ従来の個別に設計され使われてきたものは取り付けが非常に面倒であった。
最近普及しつつある各種の製品群は、プレカットした集成材を特殊な金物やボルトなどで接合できるようにしたもの。接合を乾式にして現場施工の手間を少なくし、扱いやすく従来の個別制作のものに比べ非常に簡単に施工ができる。そのため木質門型ラーメン、フレームとしてある程度規格化し、多くの現場で使えるようになつている。主な各社の製品の特徴は表の通りであるが、これらの製品の最大の特徴は、@規格化・プレカット化、A高壁倍率の実現、B施工性の向上、C構造計算に対応(サービス提供)などである。これらにより誰でもどこでも簡単に使えるようにしたことである。さらには規格化や施工性能向上で大幅なコストダウンも可能となつた。
用途は、一般的には狭小地住宅等の1階部分の前面開口部分での利用が一番多く、ビルトインガレージを作るときなどは最適だ。しかし構造的な視点からみると最大の利用メリットは、益々厳しくなる法律対応のために複雑化する一般的な木造住宅の木組や耐力壁の配置などを、この門型を利用してもっとシンプルな形にできるということだ。そこには構造強化と大空間の構築、コストダウンという大きなメリットがある。新築住宅では、今後狭小地住宅以外の大きな用途が開かれている。そのためには門型ラーメン供給各社がユーザービルダーといっしょになって、木造住宅の新たな躯体構造やモデルプランの開発がさらに必要だ。
また、今最も盛り上がりつつある市場はリフォームでの活用だ。今年6月にスタートした生活基本法では既存住宅の耐震改修が大きな施策となつており、一般的なリフォームに付随した耐震改修を積極的に進めようとしている。そうした動きを受けてリフォーム業界では、昨年辺りからこうした製品を積極的に使うようになつてきた。新築ではキッチンや浴室が建物の四隅に配置されるケースが多いが」リフォームではその水回りの増改築が一番多い。その部分を工事しようとすると必ず構造耐力に関わる部分に引っかかるが、こうした大開口と構造耐力(耐震補強)を満足できる製品は、非常に重宝するものとなつている。
木質門型ラーメンは、新築市場では大都市狭小地住宅という限定的な利用に終始する限りはそれほど普及しないだろうし、遭に、今後のリフォーム市場での用途拡大が大きく進んでいきそうだ。
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